お歳暮で人気の「ミートローフ」と、定番の「ハンバーグ」、このふたつの料理の違いをご紹介しますね。
ミートローフはアメリカの家庭料理として長い歴史を持ちますが、一方で日本ではあまり一般的ではないんです。というか知らない人も多いのでは？？
英語で「meatloaf」とは、「パン」を意味する古英語の「loaf」から名付けられました。
ミートローフはその名の通り、パンのような長方形に成形して焼かれることが特徴です。
家でミートローフを作るとき、その材料や作り方がハンバーグと似ているため、思わずハンバーグ形にしてしまうこともありますよ。
この記事では、ミートローフとハンバーグの違いをお話しするとともに、それぞれの料理の楽しみ方やミートローフを上手に作るコツを詳しくご紹介します。
家庭料理の魅力を探る―ミートローフとハンバーグの探求
アメリカの家庭から生まれた「ミートローフ」は、かつて「apicius」とも呼ばれ、歴史ある料理書にその名を見つけることができます。
この料理は、特にドイツ、オランダ、ベルギーでも「Hackbraten」として親しまれ、その起源はペンシルバニア州の植民地時代までさかのぼります。
この時代には、ドイツ系移民によって「Scrapple」という料理が好まれ、これがミートローフの始まりとされています。
一方、ハンバーグはドイツ・ハンブルクで労働者向けの食事として提供され、その名前は13世紀にヨーロッパに侵入したモンゴル帝国のタタール人が好んだ生肉料理に由来します。
18世紀から20世紀にかけてアメリカへ移住したドイツ人によって広まり、「ハンブルク風ステーキ」として人気を博し、日本にも明治時代に「ジャーマンステーキ」として紹介されました。
ミートローフは、パンの形をした長方形で、オーブンでじっくりと焼き上げられます。
焼き上がったら好みのサイズにスライスし、グレイビーソースやケチャップを添えて楽しむのが一般的。
対照的にハンバーグは、楕円形や円形に成形され、フライパンやオーブンで焼かれた後、デミグラスソースや添えられた野菜とともに提供されます。
また、煮込みハンバーグとしても多くの家庭で愛されています。
ミートローフに豆類やピーマン、人参、マッシュルームなどの野菜やきのこを加えるアレンジも人気ですが、これによってハンバーグと似た味わいになることがあるため、ミートローフ作りに初めて挑戦する際はその点を留意すると良いでしょう。
家庭で作るミートローフとハンバーグのコツ
ミートローフを作るときは、挽肉にゴールデンブラウンに炒めた玉ねぎ、鶏卵、パン粉、さらには穀物の粉を結びつける材料として加えます。
さらに、塩、胡椒、ナツメグなどのスパイスで味付けをし、よく混ぜ合わせた後、専用の型に入れてオーブンで焼き上げるんですよ。
一方、ハンバーグを作る際は、挽肉に炒めた玉ねぎや細かく切った野菜を加えます。
そして、塩や胡椒などのスパイスと共にパン粉を混ぜ合わせ、しっかりとこねた後、楕円形や円形に成形して、フライパンやオーブンでじっくりと焼きます。
ミートローフとハンバーグは材料が似ているため、間違えてハンバーグを作ってしまうこともありますが、それぞれに合った作り方があるんです。
ミートローフにおすすめの野菜選び
ミートローフには、玉ねぎとニンニクを基本とし、プラスしてセロリ、ニンジン、フェンネル、マッシュルーム、リーキ、パプリカから2種類を選んで加えましょう。
選んだ野菜はみじん切りにして、玉ねぎとニンニクと共にオリーブオイルで炒めてから、ミートローフの材料と混ぜ合わせるといいですよ。
ミートローフに特別な風味を加えて
ミートローフにハンバーグとは異なる特別な風味を持たせたい場合、
- チーズ
- ドライフルーツ
- ケイパー
- ジンジャー
- 新しょうが
- チリペッパー
- オリーブ
- ドライしいたけ
- レモンゼスト
- ライムゼスト
- ホースラディッシュ
の中から好きな3つを選んで、ひき肉に織り交ぜます。
レモンやライムの皮は、細かく削り取り、ホースラディッシュは市販のチューブを使用しても構いません。
香り高く、風味豊かに
ミートローフをもっと香り高くするために、
- オレガノ
- マジョラム
- ディル
- タラゴン
- セージ
- ローズマリー
- タイム
- チャイブ
- コリアンダー
- バジル
- パセリ
の中から1〜2種類を選んで、自家製のハーブミックスを作り、混ぜ込みます。
これで、ミートローフに深い香りと独特の味わいが加わり、通常のハンバーグとは一味違う楽しみ方ができますよ。
スパイスで味わい深く
スパイスは料理に個性を加えるのに欠かせない要素です。
- クラッシュトレッドペッパー
- フェンネルシード
- スモークパプリカ
- シナモン
- チリパウダー
- ガラムマサラ
- クミン
- コリアンダーパウダー
- オールスパイス
- マイルドチリ
の中から1〜2つを選び、それを生地に加えます。
これらのスパイスを使うと、風味が際立ちます。スパイスを挽くときは、香りがより引き立つので、専用のすり鉢を使うのがおすすめです。
スパイス専用のすり鉢を一つ持っておくと、いつでも新鮮な香りを楽しめますよ。
最適な挽肉の選び方
海外でよく見るさまざまな挽肉のブレンドは、各家庭の味を個性豊かにします。
日本では挽肉の種類が少なめですが、複数の肉を組み合わせた合挽きミンチを使用すると、料理がより豊かな味わいになり、おすすめですよ。
ミートローフの美味しさを引き出す工夫
ミートローフをさらに美味しく仕上げるには、型の底に生ベーコンや豚ばら肉を敷いてから、生地を詰める方法があります。
この際、ミートローフを直接オーブントレイに置くのではなく、ワイヤーラックに乗せて中温でじっくりと1時間焼きましょう。
焼き終わりにメープルシロップやはちみつを塗って高温で数分焼くと、美しい光沢が出ます。
焼き上がったらアルミホイルで包み、しばらく置くことで味が馴染み、さらに美味しいミートローフが楽しめます。
ミートローフとハンバーグの楽しみ方のまとめ
ミートローフとハンバーグの違いをお話ししました。
ミートローフをお家で作る際は、私がご紹介したいくつかのポイントを活用していただくと、ただのハンバーグではなく、もっと特別なミートローフが作れますよ。
日本ではハンバーグが非常に人気がありますが、同じ食材で少し変わった調理法を試してみるのも新鮮で楽しいです。
是非、新しいミートローフのレシピにも挑戦してみてください。お料理の幅が広がりますよ。
