ガス会社からガス検査の立ち会いを求める郵便通知が入っていました。指定された期間内に都合の良い日時を伝えるよう要請されています。
自宅に他人を入れることに抵抗があったため、この立ち会いが義務なのかどうかを調査しました。
結果として、立ち会いは避けられない義務であることがわかり、電話で日時を設定しガス検査を受け入れることにしました。
この過程で、以下の疑問が浮かびました。
- ガス検査の立ち会いを拒否することは可能か？
- 家の中への立ち入りは必須か？
- 立ち会いの際に不在でも対応可能か？
- ガス検査の具体的な内容とは？
- 検査に要する時間はどれくらいか？
これらについて調べた情報をここに記しますので、参考にしてください。
ガス設備の定期点検についての法的義務と拒否の可能性
ガス設備の定期点検は、正式には「ガス設備定期保安点検」と呼ばれます。
この点検はガス事業法に基づき法的に義務付けられており、基本的にはすべてのガス使用者が受けなければなりません。
ただし、この義務には強制力が伴うわけではなく、ガス会社からの要請という形をとっています。
ガス点検の拒否も可能ではありますが、それにはリスクが伴います。詳細は後述します。
ガス事業法によると、
ガス小売事業者は、経済産業省令に従い、提供するガス器具が技術的な基準に適合しているかどうかを確認する義務があります。ただし、器具の設置された場所の所有者や占有者からの同意が得られない場合、この義務は適用されません。
もし点検結果、器具が技術基準に適合していないと判断された場合、ガス小売事業者は直ちに適合させるための措置を講じるべきですし、その措置をとらなかった場合の結果も所有者や占有者に通知する必要があります。
引用：公式東京ガス「ガス設備定期保安点検（消費機器調査）」
定期的なガス検査の実施頻度
法令により、ガス設備の点検は4年に最低1回実施することが定められています。
一般的に、多くの地域では「4年に1回の定期検査」としてこの規則が適用されています。
しかしながら、安全をより重視する地域の一部ガス会社では、2年ごとに検査を行うところもあります。
特に都市ガスやコミュニティガス（以前は簡易ガスと称されていた）に適用されるガス事業法では、2017年3月までの規定では40ヶ月に1回の検査が必須でしたが、法改正により「4年に1回以上」と変更されました。
引用：中部近畿産業保安監督部近畿支部 保安課
ガス検査の立ち合いを拒否することは可能？拒否した場合の影響は？
現在の状況や個人の理由、例えば女性が一人で男性技師を家に入れたくない、知らない人を家に入れることに抵抗があるなど、さまざまな理由でガス点検の立ち合いを拒否したいと感じることがあるかもしれません。
ガス点検は法的に義務付けられていますが、基本的には協力をお願いする形で行われるため、実際には点検の拒否が可能です。
しかし、点検を拒否することにはいくつかのリスクが伴います。主なリスクは以下の2点です。
- ガス供給が停止される可能性がある（設備の不具合が未発見のままになるため）
- ガス漏れなどのリスクが高まる
ガス会社によっては、安全確保のためにガス供給を停止することが規定されています。
また、ガス機器が老朽化している場合、定期的なチェックがなければガス漏れのリスクが増すため、点検の拒否は慎重に考えるべきです。
ガス設備の点検範囲と所要時間について
ガス設備の点検には主に二つの種類があります。
- 「消費機器調査」：ガス小売事業者が自宅内のガス機器をチェックします。
- 「ガス漏れ検査」：ガス導管事業者が行う、ガス管、ガスメーター、ガス栓の検査です。
これらの点検は通常、地元のガス会社が担当し、多くの場合1社1検査員で行いますが、地域によっては2社が協力して実施することもあります。
主要なガス点検場所
家庭内外の主な点検場所は以下の4つです。
- 台所：ガスコンロ、湯沸器、ガス警報器
- 居間：ガスヒーター
- 浴室：ガス湯沸器
- 屋外：ガスメーターとガス管
点検では、次の項目を確認します。
- 給気と排気の状態
- ガス管の接続及び漏れの有無
- 製造年月日と有効期限
一部の場合、ガス点検は外部の設備のみで行われることもあります。特に、すべての設備が屋外にある集合住宅では、屋外のみでの点検が行われます。
ガス検査の所要時間
通常、ガス検査は約10分から20分で完了します。
東京ガスによる点検作業の流れ
ここでは、ガスの点検作業の一連の流れを時系列に沿って紹介します。
- ガス会社からの点検案内が郵便受けに届く（予約の案内付き）
- 案内を放置
- 予定日の午前中、点検員が訪問するが不在だったため、不在票が投函される
- 不在票にはオンラインまたは電話での予約が必須と記載
- 電話で点検の予約をする
- 予約日の前に、台所と浴室を清掃
- 予約時間に正確に点検員が訪問
- 点検内容の説明後、作業開始
- 台所のガスコンロ周辺（ガス漏れチェック）
- 台所の下部（ガス管のチェック）
- ガス警報器（機能確認）
- ガス給湯器（ガス漏れチェック）
- 浴室（設備がないため視覚的確認のみ）
- 屋外（ガスメーターやガス管の点検）
- 点検時間は約15分
- 点検終了時、ガス警報器の交換を推奨されるが、強引な販売や契約はなし
- 点検結果が記載された書類を受け取り、問題がなければサインして終了
作業中、点検員は各作業を行う前に「こちらを確認してもよろしいですか？」と許可を求め、余計な会話や視線を避け、聞かれたことのみに答えるプロフェッショナルな対応をしていました。
これにより、クレームが起こらないように効率的に作業が進行しました。
ガス点検時の自宅立ち合いへの対策
特に女性の一人暮らしでは、知らない人を家に入れることに不安を感じることが多いです。そんな時は、以下のような対策をご検討ください。
- 日程変更も含め、祝日や休日に対応しているので、一人での立ち合いが難しい場合は日時の変更を依頼できます。
- 訪問者の身元を確認するため、名刺を受け取るようにしましょう。
- 立ち合いには、親や親戚、不動産管理者、大家さんなど第三者を同伴することをお勧めします。
もし日程が合わない場合は、ガス会社に連絡して日時を調整してもらいましょう。また、女性検査員の派遣を依頼することも可能です。
集合住宅の場合は、外部のみの点検が可能な場合もあり、「内部への立ち入りなし」と明記されていることが多いです。
台所や浴室など、ガスを使用する場所のみ立ち合うので、他の部屋への不必要な立ち入りはありません。
また、1Kのような小さな住宅では、キッチンと浴室だけの立ち入りになるので、他の部屋の掃除については心配いりません。
不安な場合は、点検中に玄関を半開きにしておくといった対策も効果的です。
【まとめ】ガス点検は適切に行うべき
ガス事故を防ぐためにも、ガス点検は法令に基づいて実施されます。
一人で立ち合うのが不安な場合、予め親族や友人、大家さんや管理会社の立ち合いを予定しておくと良いでしょう。
検査は主に以下の3点を確認します。
- ガス器具の周りでのガス漏れ（コンロ、給湯器、風呂釜など）
- ガス警報器の使用期間の確認
- ガス配管の状態（台所下や給油機の周り、外のガスメーター付近）
ガス点検は約15分程度で終わり、不必要な会話や無関係な部屋への立ち入りはありません。
短時間で行われるため、ほとんど気にならない程度です。
しかし、4年に1度の点検はガス漏れや機器の使用限界を確認し必要なのかと思いますよ。
