ぬか漬けは、米ぬか、塩、水を混ぜて作るぬか床に野菜などを漬ける伝統的な日本の漬物です。
家庭で簡単に楽しめ、個々の好みに合わせて味を調整できるのが魅力です。
夏場などは特に自分で漬けたぬか漬けが役立ちますが、漬けてはいけない食材も存在します。
今回は、ぬか漬けに適した食材と避けるべきもの、その理由について掘り下げていきます。
ぬか漬けに不向きな食材とは？注意すべき点
多くの食材がぬか漬けに適していますが、特定のものは避けた方が良いでしょう。
特に水分が多いものやアクの強いものはぬか床を痛める原因となります。また、強い香りのある食材もぬか漬けの際には注意が必要です。
ぬか漬けに向かない食材
- ヨーグルト：取り出しが困難なため不適切です。
- ほうれん草：アクが強く、柔らかいため不向きです。
- トマト：過剰な水分でぬか床が水浸しになる恐れがあります。
- ふきのとう：アクが強すぎて不向きです。
- 水道水：カルキが含まれているため、そのままでは使用しないでください。ろ過後に沸騰させ、冷ました水を使用します。
- 蒸留酒：香りが強く、ぬか床に適さないです。
注意が必要な食材
- 生肉・生魚：菌の繁殖リスクがあり、野菜とは別のぬか床で漬け、使用後は破棄が推奨されます。
- にんにく・にら：強い匂いが特徴で、好みが分かれるため、匂い移りが気になる場合は使い捨てのぬか床を用意しましょう。
- 葉物野菜：キャベツやレタスなどは、キッチンペーパーで包んでから漬けると良いでしょう。
- ネギ類：辛み成分がぬか床に移りやすいため、別容器で漬けることをお勧めします。
- 山菜：うどやタラの芽などは、アク抜き後に漬けることが重要です。連続して同じぬか床で漬けるのは避けましょう。
- 納豆：特有の匂いがぬか床に移り、後の使用に影響を与える可能性がありますが、お茶パックに入れて漬けることで問題を回避できます。
これらのポイントを意識して、美味しいぬか漬けを楽しんでください。
ぬか漬けの基本的な作り方と適切な野菜の選び方
ぬか漬けを始める際には、まずぬか床の作り方から理解することが大切です。
初心者でも簡単に挑戦できるように、ここではぬか漬けの基本的な作り方と、漬けるのに適した野菜の選び方を紹介します。
これを読んで、ぬか漬け作りに必要な勇気を持ってスタートしてみましょう。
今回のレシピは2〜3人分ですが、必要に応じて量を調整してください。
必要な道具
- 大きめのボウル
- 保存用の容器
材料
- 生ぬか 1kg
- 塩 130g
- 昆布（5cm四方）3枚
- 唐辛子 2本
- かつお節 10g
- 干し椎茸 少量
- 煮干し 5匹
- キッチンにある余った野菜（芯や皮など）適量
ぬか床の作り方
- 大きなボウルに生ぬかを入れ、塩を加えて軽く混ぜ合わせます。
- 水を少しずつ加えながら手でしっかりと混ぜます。
- 混ぜ合わせたぬかを保存容器に移し、唐辛子、かつお節、干し椎茸を加えて再度混ぜます。
- 捨てる予定の余った野菜の皮や芯を追加し、表面を平らにならします。
- 煮干しと昆布を上に乗せて、容器の中の空気を抜くように軽く押し込みます。
- ふたをして保存容器を閉じれば、ぬか床の完成です。
これらの余った野菜を使うことで乳酸菌の活動が促進され、ぬか床の発酵が効率的に進むようになります。
これを「捨て漬け」と呼び、発酵を助ける大切な役割を果たします。
ぬか漬けに適した野菜の選び方と維持管理
ぬか漬けは、さまざまな野菜を漬けることができますが、特にぬか漬け向きの食材を選ぶコツがあります。
適した野菜は、しっかりとした歯ごたえがあるものや、味がよく染み込むものです。
ぬか漬けは、シャキシャキやコリコリといった食感を楽しむことができるため、キュウリや大根、人参などの根菜類や、白菜、キャベツなどの葉茎菜類が最適です。
一方で、ナスやカボチャ、タケノコなどは下処理が必要ですが、味が染みやすくおいしいぬか漬けが作れます。
ぬか漬けの効率的な作り方として、野菜を塩もみしてから漬け込むことが推奨されます。これにより、野菜からの余分な水分が抜け、味がしっかりと染み込みます。
また、ぬか漬けは保存時にも注意が必要です。
漬けた野菜は、食べる直前にぬか床から取り出し、すぐに洗うのが理想です。時間が経過すると水分が増し、風味が落ちてしまうためです。
ぬか床の手入れには、最初の10日間は毎日2回ぬかをかき混ぜることが重要です。
その後は毎日1回の混ぜで足りますが、野菜を取り出す際に混ぜることで手間を減らすことができます。
漬け込んだ野菜は4～5日ごとに新しいものに交換し、これを数回繰り返すと良いです。
また、ごぼうやじゃがいもなど硬い野菜は、ぬか漬けにする前に軽く下茹でしてから漬けると食感が良くなります。
下茹での際は、米のとぎ汁を少し加えることでアク抜きができ、野菜の苦味を減らすことができます。
ただし、茹で過ぎないように注意し、下茹でした野菜は冷ましてからぬか床に入れることが重要です。
簡単ぬか漬け！無印良品の「発酵ぬかどこ」を試してみよう
ぬか漬けは日本の伝統的な発酵食品で美味しさも魅力です。
しかし、その手入れには毎日のかき混ぜが欠かせず、これが案外大変な作業です。特に、忙しい日々を送る中で毎日のかき混ぜは面倒に感じることも。
このような悩みを解消してくれるのが、無印良品から販売されている「発酵ぬかどこ」です。
この製品は、野菜を入れるだけで良く、日々のかき混ぜが不要になるため、ぬか漬け初心者でも気軽に始めることができます。
「発酵ぬかどこ」は1kgで890円（2023年9月現在の価格）で提供され、使い勝手の良いチャック付きパッケージなので別途容器を用意する必要もありません。
購入後すぐにぬか漬け作りを始めることができ、適切な管理をすれば長期間使用することが可能です。ただし、週に1回はしっかりとかき混ぜることで、発酵状態を良好に保つことができます。
もしぬか床が減ってきたら、補充用の250gパックも290円で用意されており、必要に応じて追加することができます。
ただし、「発酵ぬかどこ」は全ての無印良品店舗で扱っているわけではないため、購入を検討する際は事前に取り扱い店舗をインターネットで確認するか、オンラインストアでの購入を検討すると良いでしょう。
この簡単なぬか漬けソリューションに感謝しながら、ぜひ試してみてください。
「発酵ぬかどこ」の使い方と漬け方のコツ
「発酵ぬかどこ」を使う際には、まず野菜を水で洗い、適当な大きさに切ります。
次に、これらの野菜を「発酵ぬかどこ」に入れて漬けます。
漬け時間は野菜の種類によって異なりますが、それぞれの野菜に適した目安の時間を守りながら、個々の好みに合わせて調整することが可能です。
味の好みによって、漬け時間を短くして塩辛さを抑えたり、長くして酸味を強めたりすることもできます。これにより、自分だけのお気に入りの味を見つけることができます。
野菜別の漬け時間の目安
- キュウリ：通常12~18時間。塩辛さが苦手なら10時間程度から調整。
- ナス：18~24時間。漬ける前に塩揉みして水洗いする。薄味を好む場合は16時間で。
- 大根：12~18時間。皮を剥くかそのまま漬けるかは好みで。
- アボカド：24~30時間。半分に切り、種を取り除いた後、キッチンペーパーで包んで漬けるとコクが増し、酸味も抑えられます。
- ゆで卵：5~10時間。外見に変化はありませんが、燻製風の味わいに。
- 長芋：18~24時間。皮を剥いた後、好みでキッチンペーパーに包んで漬ける。
「発酵ぬかどこ」を使うと、回数を重ねるごとに味がまろやかになります。
味の調整には、塩を加えたり、卵の殻を砕いて混ぜることで酸味を和らげることができます。これにより、簡単に自分好みの味の変化を楽しむことが可能です。
ぬか漬けの基本と注意点まとめ
ぬか漬けは多くの食材で楽しめますが、注意が必要な点もあります。
特に水分の多い食材やアクの強い食材はぬか床を痛めるため避けるべきです。
また、水道水に含まれる塩素はぬか床に悪影響を与えるので、ぬか漬け作りには適した水の選択が大切です。
主なポイント：
- 高水分やアクの強い食材はぬか漬けに不向き。
- 水道水の使用は避け、塩素を除去した水を使うこと。
- 生ものや強い匂いが特徴の食材には注意が必要。
- ぬか漬けの発酵を助けるために、野菜の皮などの残り物を利用。
- 歯ごたえのある野菜や味が染みやすい食材が最適。
- 野菜を塩もみすることで、味の染み込みを助け、水分過多を防ぐ。
- 下処理として野菜を下茹でする際には、米のとぎ汁や少量のぬかを加えることで味を整える。
- 無印良品の「発酵ぬかどこ」は週に一度のかき混ぜで維持可能。
- 長期的にぬか床を維持するには適切な手入れが必要。
- 「発酵ぬかどこ」は無印良品のすべての店舗で販売されているわけではなく、取扱店舗を確認するかオンラインでの購入が推奨される。
ぬか漬けを自作するのは楽しく、味の探求も魅力の一つです。
不向きな食材や特定の食材の取り扱いに気を付けながら、自分好みのぬか漬けを見つけ出してください！
