PR

漆器と漆塗りの魅力とは?意味や歴史、そして種類について解説

スポンサーリンク

日本の家庭に古くから親しまれてきた「漆器」や「漆塗り」は、食器や櫛、花器といった日常生活のアイテムとして用いられています。

昔からその耐久性や美しさで多くの人に愛されてきましたが、最近では安価で大量に生産される製品が増え、少し影を潜めているようですね。

うるしと聞くと輪島ってイメージですよね?

今日は、漆器と漆塗りの深い意味や豊かな歴史、そして様々な種類についてお話ししましょう。

 

さて、漆器は英語で何と表現されるのでしょうか?一緒に見ていきましょう。

スポンサーリンク

漆器の魅力とその読み方

「漆器(しっき)」とは、美しい漆を何層にも重ねて塗り上げた木製の器を指します。

え?「うるしき」って読むんじゃないの?「しっき」?知らなかった…。

この漆器には、ただの木製の食器だけでなく、櫛や箸置き、箸など、様々な日用品が含まれます。

 

漆は、ウルシ科の落葉高木であるウルシの木から採取される樹液を基に作られています。

この漆を木の器に30~40の工程をかけて何度も塗り重ねていくのです。

その漆は採取されるウルシの木の種類や産地によって、乾燥する時間や粘り気の強さが異なります。

それぞれの特性を理解し、目的に合わせて適切な方法で塗り重ねることで、美しく丈夫で長持ちする漆器が完成します。

かつては日本国内で多くの漆が採れましたが、現在では主に中国からの輸入に頼っています。

え?中国から??そうなんだ。。。。

そのため、日本産の漆は非常に貴重で、価格も高くなっています。現在では、主に神社や仏閣の修復に使用されることが多いですね。

 

スポンサーリンク

漆塗りの基本とその歴史

「漆塗り(うるしぬり)」というのは、漆を木製の器などに塗りつける工程のことを指します。

漆塗りは漆器製作において重要な役割を果たし、また、この技術を駆使する職人を「塗師(ぬし)」と呼びます。

「ぬりし」じゃないんだ、、「ぬし」??なんだか知らないことだらけです。。

漆はウルシの木から取れる樹液で、木の年齢や産地によって成分が異なり、その結果、乾燥時間や粘度も変わります。

 

このような特性を理解し、用途に応じた適切な方法で塗り重ねることにより、耐久性があり美しい仕上がりの漆器が生まれるんですよねー。

漆器と漆塗りの歴史

漆の使用は非常に古く、北海道の垣ノ島遺跡で紀元前14000年ごろの縄文時代前期に遡る漆製の装飾品が発見されています。

これは、漆が約9000年前から使われていたことを示しています。

続く弥生時代には、漆は武器などにも使用されるようになり、古墳時代にはさまざまな漆加工が施された品々が登場しました。

特に棺などに漆が塗られる例が見られます。

平安時代には、宮廷内で漆器の日常的な使用が始まり、朝廷直轄の漆工芸が発展しました。そして、鎌倉時代から室町時代にかけて、「蒔絵(まきえ)」と呼ばれる技法が登場します。

蒔絵は、漆で描いた模様や絵に金粉や銀粉を蒔く手法で、鎌倉時代には平蒔絵、高蒔絵、研出蒔絵といった様々なスタイルが確立されました。

これらの技法は、数多くの豪華な漆工芸品を生み出しました。

平蒔絵の技法について

平蒔絵(ひらまきえ)は、漆を使って模様や絵を描き、その上に金粉や銀粉を蒔く技法です。

さらに、この上に透明の漆を塗り、乾燥後に磨きをかけて仕上げます。

蒔絵を施した部分とそれ以外の部分には、わずかな高低差が生まれ、この微妙な違いが特徴的です。

一般的には、単に「蒔絵」と言えば、この平蒔絵のことを指します。

高蒔絵の魅力

高蒔絵(たかまきえ)は、より立体感を出すために蒔絵を施す部分に漆を厚く塗り、それを乾燥させた後に平蒔絵の技法を加えるものです。

この方法により、絵や模様が浮き出るような立体的な表現が可能になります。

研出蒔絵の特徴

研出蒔絵(とぎだしまきえ)では、初めに平蒔絵と同様に金粉や銀粉を蒔いて絵を描きますが、その後全面に漆を塗り、乾燥させてから全体を研ぎ出します。

この技法により、蒔絵部分とそうでない部分が同一平面上に仕上がり、非常に滑らかな表面を実現するそうですよ。

 

室町時代には、将軍の庇護のもとで漆工芸が栄え、新たな技法として肉合蒔絵(ししあいまきえ)が誕生しました。

これは、高蒔絵と研出蒔絵を組み合わせたもので、非常に豪華な仕上がりが特徴です。

安土桃山時代に入ると、西洋文化の影響を受けて新しいモチーフの漆器が制作され、江戸時代には漆器が庶民の日用品として広く普及しました。

16世紀後半には海外への輸出が始まり、欧州の王侯貴族からも高い評価を受けました。

大正から昭和にかけては、皇室が国賓へのお土産として漆器を用いることが多くなりましたが、同時期に安価な輸入品が増え、徐々に日常生活から漆器の使用が減少していったようですよ。

スポンサーリンク

日本のさまざまな漆器の産地とその特徴

日本には多くの漆器の産地があり、それぞれに独特の特徴と美しさがあります。

伝統工芸品として認定されている漆器の産地は20箇所以上にものぼりますが、ここではその中からいくつかを紹介しますね。

津軽塗の魅力

青森県弘前市周辺で製作される津軽塗は、その実用性と美しさで知られています。

日常使いにも耐える丈夫さと、洗練された外見が特徴です。

輪島塗の伝統

石川県輪島市で製作される輪島塗は、日本の漆器の代表格とも言える産地です。

多くの人が漆器や漆塗りを思い浮かべるときに連想するのがこの輪島塗で、何層にも漆を重ねて丈夫な作品を作り上げます。

その上で、蒔絵を施すことによる装飾的な美しさが魅力です。

山中漆器の特色

石川県加賀市の山中温泉地区で作られる山中漆器は、お椀や茶托などの丸い形状の製品が多く、自然な木目を活かしたデザインが多いのが特徴です。

会津塗の美

福島県の会津地方で作られる会津塗は、縁起の良い模様や豊富な色彩の加飾が特徴です。

特に、松竹梅と破魔矢を組み合わせた「会津絵」は、その美しさでよく知られています。

紀州漆器の実用性

和歌山県海南市の黒江地区で中心に作られる紀州漆器は、「黒江塗り(くろえぬり)」とも称されます。

この地域で作られる漆器は、その丈夫さとシンプルさで、日々の生活の中で気軽に使える実用的な品として親しまれています。

越前漆器の特色

福井県鯖江市(さばえし)周辺で作られる越前漆器(えちぜんしっき)は、その落ち着いた光沢と上品な華やかさで知られています。

福井県鯖江市というとメガネが有名だよね!漆器も人気なんだねー

特に「業務用漆器」においては、全国のシェアの約8割を占めており、日本でもトップクラスの生産地としてその名を馳せているんだそうですよ。

木曽漆器の魅力

長野県塩尻市とその周辺、旧木曽郡楢川村で製作される木曽漆器(しそしっき)は、使い込むほどに深まる温かみのある艶(つや)が魅力です。

耐久性に優れ、長く使うほどにその美しさが増すのが特徴です。

琉球漆器の個性

沖縄県で作られる琉球漆器(りゅうきゅうしっき)は、多様な加飾技術が特徴です。

沖縄は気候が漆の生産に適しており、この良好な環境と職人の熟練した技術が合わさって、独自のスタイルと地位を築いています。

 

これらの産地から見ても、日本の北から南まで、多様な漆器が存在しています。

それぞれの地域が持つ独特の特色を生かした漆器は、日本の伝統工芸品として大切にされています。

スポンサーリンク

「japan」という言葉の意味について

英語で「Japan」と言うと、私たちが住む「日本」を指します。

しかし、小文字で「japan」と書かれた場合、意味は「漆」または「うるし」になります。

ええー初耳です!マジに。。

また、「Japan lacquer(じゃぱん らっかー)」という表現も同じく漆を指す言葉として使われています。

ラッカーは塗料や樹脂ワニスのラッカーです。

江戸時代、日本の漆器は欧州の王侯貴族に高く評価され、多くの漆器が輸出されるようになりました。

これがきっかけで、ヨーロッパでは日本の漆器を指して「japan」と呼ぶようになり、やがて一般にも広まっていったのです。

スポンサーリンク

「うるしの日」の由来

11月13日は「うるしの日」として知られています。

この日の由来は、平安時代に文徳天皇の第一皇子、惟喬親王が京都嵐山の法輪寺で満願の日に漆の製法を菩薩から伝授されたという伝説に基づいています。

参籠(さんろう)とは、神仏に祈願するために一定期間寺院などに籠ることを指します。

この記念日は1985年に日本漆工芸協会により制定されました。

漆関係者にとっては古くから特別な日であり、職人たちにはこの日に親方から酒や菓子が振る舞われ、彼らの労がねぎらわれる伝統があります。

スポンサーリンク

まとめ

日本の漆や漆器には非常に古い歴史があることがお分かりいただけたと思います。

2011年に北海道で発掘された約9000年前の漆器は、それまで最も古いとされていた中国の約7000年前の漆器の記録を更新しました。

9000年も前、そして7000年も前のことと考えると、とても遠い昔の話に思えますね。

現代では日常生活で漆器を使う機会は少なくなりましたが、漆器は見た目の美しさだけでなく、その丈夫さや長持ちする特性から、かつては多くの人々に愛用されていました。

あなたも、この長い歴史を持つ漆器を、お家で使ってみてはいかがでしょうか?

お部屋の装飾や特別な日の食器として取り入れることで、生活に新たな彩りを加えることができますよ。

タイトルとURLをコピーしました