ハザードランプを駐車の合図として使うことは適切なのでしょうか?
その正しい操作方法について見てみましょう。
いわゆるサンキューハザードについても、その是非が議論されています。
この記事では、駐車を示すハザードランプの使用法や、その他の活用方法に焦点を当てて説明します。
ハザードランプを使って運転中に他のドライバーと意思疎通をはかることは、今では女性ドライバーにとっても本当に慣れ親しんだ行為ですよね。
しかし、本来の目的から外れて使用されることが多く、これには賛否両論が存在します。
誤解を招く恐れもあると指摘されているため、その使用には注意が必要です。
ハザードランプの使用時における疑問:駐車の合図としては適切?
「乗りものニュース」による最新のアンケート結果によると、93%のドライバーが礼を示すために「サンキューハザード」を使用しており、渋滞の末尾に位置する際にハザードランプを点灯するドライバーも88.5%に達しています。
さらに、駐車時にハザードランプを使う人が81.2%という結果が出ていますが、その他にも多様な使い方が存在します。
たとえば、一時停止や短期間の駐車でハザードランプを使用する場合があり、これは単に後続車への警告だけでなく、一時的な停車のサインと解釈されることもあります。
バックしての駐車時には「リバースハザード」としても活用されています。
ただし、これらの使用法には意見が分かれることがあり、アンケートでは「本来の使い方から逸脱しているため混乱が生じる」という意見や「バック時のライト点灯時にハザードを使用する必要性が低い」との指摘も見られました。
ハザードランプ使用の法的観点
法的には、サンキューハザードや渋滞時のハザードランプの使用は必須ではなく、違反にも該当しません。
しかし、高速道路での使用は、状況によっては過失割合に影響する可能性があります。
ハザードランプの本来の目的は、周囲に危険を知らせるための非常点滅表示ですが、広まった慣習に対しては慎重な考慮が必要です。
法定で定められたハザードランプの使用タイミング
夜間の広い道路での駐車や停車時
道路交通法では、夜間に幅5.5メートル以上の道路で駐車または停車する際には、ハザードランプかテールランプを点灯する必要があります。
通学バスの停車時
子どもたちの乗り降り時には、ハザードランプの使用が必要ですが、これは通学・通園バス限定です。
その他のハザードランプの使用シーン
故障時やレッカー移動の際
故障車が高速道路上で停車する時やレッカー移動する際には、ハザードランプで後続車に注意を促します。
リバースハザードとしての使用
特にショッピングモールやサービスエリアでは、駐車時に周囲に知らせるために用いられます。
視界不良時や緊急地震速報時の使用
視界が悪い時や緊急地震速報が出た時には、ハザードランプを点灯し、安全を確保しながら行動します。
「サンキューハザード」の是非
ハザードランプを短時間点滅させて感謝の意を示す行為、通称「サンキューハザード」は、他の運転者に進路を譲ってもらった際の非公式な礼儀として普及しています。
この慣習は法的に問題があるわけではありませんが、通常のハザードランプの使用目的とは異なります。
これが原因で誤解を生じさせることがあり、特に交差点での使用はリスクを伴う可能性があります。
そのため、安全性を考慮して他の方法で感謝の意を示すことも考えられます。
「サンキューハザード」っていつから始まった?
「サンキューハザード」として知られる、ハザードランプを使った感謝の表示は、その始まりが1980年代にさかのぼります。
この習慣は、もともとは高速道路を走るトラックドライバーたちの間での非公式な合図から始まったとされています。
事の始まりは、あるトラックドライバーが高速道路の左車線を走行中、前方の車に追いついた場面からです。
追い越しを試みるため右の車線へ移ろうとするも、後方の車が並行し続けるため車線変更は困難でした。
その時、右のウインカーを出して車線変更の意向を示すと、後方のドライバーが短時間だけヘッドライトを点滅させ、「車線変更をしても良い」との合図を送りました。
これが、トラック運転手たちの間で定着し、車線変更後にハザードランプを数回点滅させて感謝を示す「サンキューハザード」の流れが形成されました。
この一連の合図は、特定の訓練や指導によるものではなく、自然と身についた運転者同士のコミュニケーション方法です。
やがて、この習慣はトラックドライバー以外の一般のドライバーにも広まり、今日に至っています。
サンキューハザードの適切な回数は?何回?
サンキューハザードの点滅回数に厳密なルールは存在しませんが、一回の点滅を推奨します。これにはいくつかの理由があります。
相手に見られているかは不明
ハザードを使用していることが相手に認識されているかは分かりませんし、自分自身が行動したという自己満足で充分です。
複数回行うと、後続車に不必要な心配をかける可能性があります。「何か問題があるのでは?」と誤解されることも。
操作中のリスク
ハザードランプの点滅は保安基準に基づき、毎分60~120回の間で設定されており、一回の点滅には約1~2秒かかります。
これは意外と長い時間で、例えば低速で5km/hで移動していても、点滅一回で5~10メートル進んでしまいます。
そのため、ハザード操作中に前方の状況が変わり、思わぬ事故につながる恐れがあります。
ハザード操作に集中するあまり、前方の車が停止していた場合、接触事故を引き起こすリスクも高まります。
以上の理由から、サンキューハザードは簡潔に一回の点滅に留めるのが望ましいです。
適切なハザードランプの使用法
ハザードランプは本来、危険を周囲に警告するために設計されており、その効果は視認性が高いため広範囲で認識されます。
この装置の使用は、特に夜間の住宅街での駐車や停車時には慎重に行われるべきです。
可能な限り、ハザードランプを使用しなくても安全に停止できる場所を選ぶべきです。