甲子園球場は、選手たちが試合後に土を持ち帰る光景で有名です。
さらに注目すべきは、球場の外壁を飾るツタの存在です。
甲子園の象徴的なツタは、実は高速道路との深い繋がりを持っています。
甲子園と高速道路の意外な結びつき
全国高校野球選手権が毎年開催される甲子園球場ですが、ここに生い茂るツタは単なる装飾ではなく、環境保護と景観向上の役割も果たしています。
1970年代以降、高速道路の緑化が進められ、その一環として「壁面緑化」が推進されました。
ここで使用される主な植物が「ナツヅタ」です。この植物は、元々高速道路の緑化プロジェクトで大量に必要とされていましたが、供給に困難が伴いました。
その際、甲子園球場に自生するナツヅタが注目され、緑化に活用されることとなったのです。
甲子園由来のツタが高速道路美化に寄与
1970年代に、日本の高速道路の壁面緑化のために、甲子園球場から提供されたナツヅタの種子が活用されました。
名神高速道路の試験施設を通じて、約43万本のツタが1972年から2002年の間に植えられ、これによって高速道路は緑豊かな風景へと変わりました。
甲子園のツタは2007年の球場更新の際に一時的に撤去されましたが、後に全国の高校から寄贈された苗木が根付き、球場は再び緑に満ちた姿を取り戻しました。
ニューヨークの影響を受けた甲子園球場の誕生
1924年に設立された甲子園球場は、日本初の本格的な野球専用スタジアムとして、ニューヨークのポロ・グラウンズの設計にインスピレーションを受けて建設されました。
建設は速やかに進み、わずか4ヶ月半で完成しました。
甲子園はもともと多目的スポーツ施設として計画され、野球の他に多くのスポーツイベントが行われていました。
甲子園のツタ、シンボルとしての復活
甲子園球場がツタでどうして覆われているのでしょうか？
甲子園のツタは、長い歴史を持ち、2019年時点で見られるツタは、1924年に初めて植えられたものの直系の子孫です。
このツタは2006年に一度取り除かれる運びとなりましたが、その際には苗木が分配され、日本全国の高校生によって保護されました。
そして、2008年にはこれらの若いツタが球場の外壁に再び植えられ、その結果として現在の姿が維持されています。
ツタが球場にもたらす外国の雰囲気がどうかは不明ですが、甲子園球場のユニークな景観を形作る上で欠かせない要素であることは確かです
1924年に初めて植えられたツタは、球場の美観を形作る重要な部分であり、リニューアル後もその役割を果たし続けています。
この再生プロジェクトにより、甲子園は再び緑で豊かな景観を取り戻しました。
甲子園球場の特別な土と選手たちの記憶
甲子園球場が位置するこの地は、昔、白砂と青松で知られた美しい場所でした。
しかし、その土壌では野球の試合には不向きで、視認性の問題から淡路島からの赤土や神戸からの黒土を加えてグラウンドが改善されました。
球児たちが甲子園の土を持ち帰る習慣は、1937年の川上哲治選手や1949年の福嶋一雄選手に由来すると言われています。
この土は多くの選手にとって青春の象徴となっており、この風習は今も引き継がれています。
甲子園球場の特別な土の配合法
甲子園球場の特殊な土の配合について、どのような方法が採用されているのでしょうか？
この球場では、「黒土」と「砂」の精選された混合が行われています。これらの材料は、国内の特定地域から選ばれて運ばれます。
公式情報によると、主に使用されている黒土は鹿児島県の志布志市から採取され、この土は火山灰由来で保水性に優れています。
砂については、京都府の城陽市が産地で、特に水はけが良い丘砂が使用されています。
この黒土と砂の混合比率は、気候や季節に合わせて調整されます。例えば、雨季には砂を多くして水はけを良くし、夏には黒土を増やして視認性を高めます。
通常、夏期には黒土60%、砂40%の割合で配合されています。
甲子園球場では、この土は日々補充され、全国高校野球大会の間も最適な状態が保たれるように細心の注意が払われています。
このように、甲子園の土は季節や天候に応じて適切なバランスで調整され、長い間培われた技術と経験によって最良のコンディションが維持されています。
甲子園と高速道路、自然をつなぐツタ
甲子園球場と高速道路の緑化プロジェクトは、環境保全や景観改善において深いつながりを持っています。
特にツタの利用は、球場の歴史を現代につなぎ、その緑豊かな美しさを維持するための重要な取り組みです。
ツタの再生は、球場の象徴としての役割を再確認し、自然との調和を促進しています。
