曹洞宗、臨済宗、浄土真宗:それぞれのお盆の迎え火と送り火の伝統

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お盆期間中、多くの企業が休業し、多くの人が故郷に帰省することが一般的です。

実は、お盆の伝統である迎え火と送り火の実施方法は宗派によって異なるのをご存じでしょうか?

自分の家がどの宗派に属しているのかが分からない場合は、この機会に確認してみると良いでしょう。

以下では、曹洞宗、臨済宗、浄土真宗といった主要な仏教宗派のお盆における迎え火と送り火の方法について説明します。

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曹洞宗の迎え火と送り火

曹洞宗では、迎え火は通常8月13日の夕方に行われます。地域によってお盆の期間が微妙に異なることがあります。

迎え火では、オガラ(麻の皮を向いた茎)を使用します。古くから麻は神聖なものとされ、その燃焼が先祖の霊を邪気から守るとされています。

オガラは焙烙(ほうろく)と呼ばれる平たい皿に乗せて燃やされます。

焙烙がない場合は灰皿などで代用することもできます。実際に焙烙の価格をオンラインで調べると、送り火用のセットが手ごろな価格で販売されています。

迎え火に加え、精霊馬(きゅうりで作った馬やなすで作った牛)を作成し、先祖を迎えます。

キュウリで作った馬とナスで作った牛は、「行きは馬で早く来て、帰りは牛でゆっくり帰って」という意味が込められています。

送り火も基本的には同様の方法で8月16日の夜に行われ、精霊馬を燃やして先祖を供養します。

夜に送り火を行うのは、先祖が現世に長く留まってほしいという願いからです。

曹洞宗の迎え火と送り火は、伝統的な手法を守っています。

このような習慣は、子供たちにも教えてあげると良いでしょう。

適切な迎え火の場所について

お盆に行う迎え火の適切な場所は、どこにするのが良いでしょうか?

迎え火は家の入り口、例えば門や玄関、または窓辺が理想的です。

これらの場所はご先祖様が霊界から帰ってくる際の入口となるため、迎え火をするのに最適です。

しかし、現代の住宅状況を考慮すると、迎え火を設置するスペースが限られていることもあります。

その場合、ベランダなどを利用するのも一つの方法です。ただし、煙が出過ぎないように配慮し、近隣に迷惑をかけないように気を付けましょう。

お盆は形式よりも心が大切です。

できる範囲で迎え火を行い、故人を思う気持ちを大切にしましょう。

迎え火と送り火の適切な時刻

迎え火を行う適切な時刻については、多くの場合、8月13日の夕方が一般的です。

この時刻に迎え火を行うことで、ご先祖様が迷わずに家に辿り着けるとされています。日が沈む前に迎え火をすることで、先祖への迎えの心を表現します。

対照的に、送り火は8月16日に行われることが多く、日が沈んだ後に行います。

これは、ご先祖様がゆっくりと霊界へ戻れるよう、夜遅くまで滞在してほしいという願いを込めたものです。

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臨済宗における迎え火と送り火の伝統

次に、臨済宗での迎え火と送り火の慣習についてご説明します。

臨済宗では、迎え火と送り火の方法は曹洞宗と大きく異なるわけではありません。

8月13日の夕方、迎え火を行いますが、使用する材料としてオガラだけでなく、たいまつや杉の枝も適しています。

このとき上がる煙が重要で、この煙をたどってご先祖様が帰って来るとされています。

送り火も同様に8月16日の夜に行われます。

精霊馬を焼くこともありますが、臨済宗では精霊馬以外にもさまざまな供物を精霊棚に置くことが一般的です。

特に一部地域では、これらの供物を小舟に乗せ、川で流す精霊流しを行って先祖を供養します。

また、京都の大文字焼きは、臨済宗の送り火が大規模に行われる一例であり、京都では宗派独自の送り火を見ることができるのです。

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浄土真宗の迎え火と送り火の伝統

最後に、浄土真宗における迎え火と送り火の習慣について解説します。

意外かもしれませんが、浄土真宗では迎え火や送り火は行われません。

この宗派では迎え火や送り火をしないこと自体が特別な意味を持ちます。

さらに、精霊馬を作る習慣や精霊棚を設けることもありません。

この理由は、浄土真宗の教えによれば、故人はすでに完全な形で浄土に往生し、仏となっているとされるためです。

ただし、浄土真宗ではお盆の期間に何もしないわけではありません。

この時期は「歓喜会(かんぎえ)」と称され、僧侶から仏法を学び、お寺で法話会が開催されることが一般的です。

こうした集まりで念仏を唱えることにより、仏となった先祖たちを深く供養するのです。

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お盆の宗派別の迎え火と送り火についてのまとめ

お盆における迎え火と送り火の習慣は宗派によって異なり、曹洞宗や臨済宗では行われるのが一般的ですが、浄土真宗では行われないことが特徴です。

京都の大文字焼きのように地域ごとにその習慣がどの宗派に由来するのかを知るのは興味深いことです。

多くの人が自分たちの宗派を意識せずに過ごしているかもしれませんが、お盆は先祖を敬い、その精神を次世代に伝える重要な時期です。

あなたの家の宗派は何ですか?

お盆を迎える際には、その宗派に基づいた方法で先祖をお迎えするのがよいでしょう。

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